住みたい街ランキング上位に入ってくる横浜は、街のいたるところに歴史を感じることのできるスポットが多く存在します。
横浜発祥 乗合馬車
横浜は乗合馬車の発祥であり、馬車道(ばしゃみち)という通りがあります。
関内の桜木町寄りに位置するこの道路は、幕末に開港したことから始まり、吉田橋から本町にかけて1867(慶応3)年3月に馬車を通すために整備された道が、今日の「馬車道」の始まりです。
吉田橋から東京藝術大学馬車道校舎のある本町通交差点まで続く道となっています。
ここにも実は一つの歴史があります。
ここはかつて乗合馬車と呼ばれる不特定多数の客を乗せて、時刻表に従って運行する馬車の発着所が設けられた場所なのです。
乗合馬車とは、横浜開港によってやってきた外国人がもたらした西洋文明の一つです。
1870年(明治3年)ごろに描かれた錦絵には、吉田橋付近を行きかう人々や馬車、荷車、人力舎などが描かれています。
横浜の乗合馬車 始業開始
乗合馬車は居留地三十七番館のサザランド(のちのコブ商会)が京浜間の人々の交通手段として営業を始めたのがことのはじまりでした。
4時間かけて東京まで走行したと言われています。
こうして横浜に外国人が持ち込んだ「乗合馬車」という文化が定着していきます。
そして初めて日本人でこの乗合馬車を営業しはじめたのが、成駒屋(なりこまや)の下岡蓮杖(しもおかれんじょう)でした。
当時成駒屋の乗合馬車は外国製でできており、2頭立ての6人乗りでした。
当時の新幹線のような感覚だったのでしょうか。
成駒屋の料金は3分(75銭)と言われています。
当時のかけそば1杯は5厘と言われていたので、この「乗合馬車」を使うことはかけそばを150杯食べることができる計算となります。
成駒屋は次第に馬車も馬も増やしていき、1872年(明治5年)に京浜間の鉄道開通で廃業するまで莫大な利益を得たと言われています。
横浜の乗合馬車 どんなルートだったのか
乗合馬車はこの吉田橋からのルート以外にも、東神奈川駅を起点として、今の旧道の綱島街道を六角橋から綱島まで走った乗合馬車があったようです。
そして当時は道も舗装されておらずガタガタと揺られて走るので乗り心地は悪かったという記録が残っています。
乗合馬車のルートは、正確な停車ポイントを記載した資料はありませんが、ルートをたどると現在の東横線のほぼ沿線を走っていたようです。
乗合馬車の以後、馬の代わりに自動車による交通手段もありました。
しかし、関東大震災やこの東横線が開通した影響で、このような交通機関も消えていったと言われています。
横浜にはこうした元々の日本文化のみならず、開港によって来た外国人がもたらして残した舶来文化が名残として残っています。
現代では乗合馬車そのものはなくても、馬車道や関内といった言葉にもその歴史を垣間見ることができます。
現在の東横線のほぼ沿線を走っていたのも、とても興味深いですね。
まとめ
乗合馬車の発祥である横浜は、人口も多く都心部ではあるものの、歴史を感じることができるノスタルジックな理由が、住む人の人気といえるでしょう。
歴史深く、外国文化と接する横浜で暮らしてみませんか。
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